事業承継税制について

コラム

事業承継税制について

 

中小企業経営者の平均年齢が70歳に近くなっています。

中小企業の廃業数が急増している現状もあり、中小企業の事業承継につき何らかの対応をしなければ雇用・技術・ノウハウが日本経済から失われてしまうとの声があがっていました。

 

そこで、中小企業の事業承継を促進する事業承継税制について抜本的に使いやすくする税制改正が行われました。

 

当該特例事業承継税制の適用を受けるためには、できるだけ早く認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて作成された「承継計画」を都道府県の担当部局に提出することが求められます。

 

また、贈与をする前に「早期経営改善計画」を策定し、会社の磨き上げを後継者と共に実施することで後継者育成を図る必要があり、また、可能な限りの株式の評価引き下げや組織再編などの対策を行うことも必要です。

 

現行制度と特例制度の相違点をまとめると以下のようになります。

 

 

 

現行制度も非上場株式の大半については納税が猶予される魅力的な制度ですが、先の見えない中小企業の経営者としては、雇用を維持しなくてはならない点については経営上のリスクとなりかねないため、あまり利用されていませんでした。

 

今回の改正により、雇用が維持できなかった場合でも、認定経営革新等支援機関の意見が記載されている維持できなかった理由を記載した書類が提出された場合には、納税猶予は取り消されないこととなりました。

 

また、現行制度では、経営環境変化によらず承継時の株価を基に納税額が算定されます。

 

しかし、これでは承継した後、会社の経営状態や業界全体の景況の変化によって、売却・合併・解散時の株式評価が変化し、相続時の株式評価との間に乖離が生じるリスクがあります。

 

特例事業承継税制では、経営環境の変化とそれに伴う株式評価の変化に応じて評価を見直して課税を行う制度とすることで、将来不安・リスクが最小化されています。

 

特例事業承継税制の適用を受けると、確かに非上場株式に係る贈与税の全額が納税を猶予されます。

しかし、当該税制の適用を受けるか否かに関わらず非上場株式の評価額を減額する相続税対策は必要となります。

 

非上場株式の贈与を受けた時点の評価額と、被相続人の死亡時の純資産を合計して相続税の総額が決まるため、非上場株式の贈与時点の評価額をできるだけ引き下げることがそのまま相続税額の総額を低くすることになるからです。

 

非上場株式の評価を引き下げる対策には一定期間が必要となってくるものがほとんどですので、後継者育成とともに将来の会社の形を決めていく過程で対策をとることが有効だと考えます。

 

 

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