相続税申告後の手続きについて

6.申告と納税

相続税申告後の手続きについて

 

相続税は、申告納税制度が取られています。

これは納税者自らが税務署へ申告を行うことで税額を確定させる制度で、相続税のほか所得税、法人税、贈与税などがこれにあたります。

 

相続税の申告は、被相続人の相続開始日の翌日から10か月以内に行うこととされていますが、この申告に誤りがある場合には申告書を修正しなければなりません。

 

納税者側で相続税の申告をやり直す手続きを「修正申告」または「更正の請求」といいます。

また、税務署側で行う手続きを「更正」と「決定」といいます。

 

相続税の修正申告と更正の請求がどのようなときに必要になるか、税務署側の処分がどのようなものかお伝えします。

 

 

納税者が行う手続き

納税申告の内容を間違えていた場合、その税額を訂正しなければなりません。

次に挙げるものは、納税者自らが行う是正手続きです。

申告期限内に訂正する場合・・・「訂正申告」

申告期限後に訂正する場合・・・「修正申告」または「更正の請求」

 

本来払うべき税額より少なく申告した場合(税金を追加で納める必要がある場合)には「修正申告」を、税額を多く払い過ぎた場合(税金を払い戻してもらう場合)には「更正の請求」を行います。

 

 

修正申告

修正申告とは、納税者が本来払うべき税額を実際より少なく申告していた場合、あるいは還付される税金が多かった場合に行う手続きです。

修正申告には、不足していた税額について延滞税などのペナルティが課せられることがあるため、間違いに気づいたら早めに修正申告を行いましょう。

 

修正の申告に該当するのは、たとえば以下のようなケースです。

  • 財産の評価や税額の計算に誤りがあった場合
  • 申告書に記載していない遺産が後から見つかった場合
  • 未分割財産が分割されたことにより税額が増加した場合

 

修正申告では税務署に「修正申告書」と、必要な場合は追加書類を提出します。訂正前の金額と訂正後の金額を記入し、税務署に提出します。

 

なお、修正申告書に提出期限はありません。税務署からの指摘を受けるまでいつでも、何回でも修正が可能です。ただし、税務調査の連絡があった後の申告になると過少申告加算税が課されます。

税務署からの通知が届く前に自主的に申告内容を修正したほうが、ペナルティの負担が軽減されます。

 

 

更正の請求

更正の請求は納税者が本来払う税額を実際よりも多く申告していた場合、または還付される税金が少なかった場合に、払い戻しを受けるために行う手続きです。

 

更正の請求に該当するのは、たとえば以下のようなケースです。

  • 財産の評価や税額の計算に誤りがあった場合
  • 遺留分の減殺請求により相続財産が減少することとなった場合
  • 未分割財産が分割され、特例等を適用することにより税額が減少する場合

 

更正の請求をする際には「更正の請求書」のほか、その更正の請求の理由となる「事実を証明する書類」の添付が必要となります。

 

更正の請求は法定申告期限から5年以内、つまり被相続人の死亡の翌日から5年10ヵ月以内であればできます。

ただし、相続税法第32条第1項に定められた特則に記載される特殊事由があった場合の更正の請求については、その事由が発生したことを知った日の翌日から4カ月以内に行うことが必要とされています。

 

払い過ぎた税金は、請求書の提出後、指定した口座に返金されます。(振込は申告書の提出から2~3ヵ月程度かかります。)

 

 

「更正」と「決定」

更正と決定は、税務署が納税申告について行う処分です。処分内容に不服がある場合、納税者は異議申し立てをすることができます。

 

 

期限内の申告なら「更正」

期限内申告が提出され、税務当局がその税額を修正する場合の手続きが「更正」です。税務署が申告書を確認したうえで、徴収した税金が過大であったり過小であったりした場合に、本来の適正な額に直す手続きで、更正には、納付すべき税額を増加する「増額更正」と、減少する「減額更正」があります。

 

 

期限後の申告なら「決定」

期限後申告で税額を修正する場合の手続きが「決定」です。つまり、申告書を期限までに提出せず無申告だった場合は「決定」の手続きとなります。

 

申告を行う義務のある人が申告書を期限までに提出せず無申告だった場合や納税を行わない場合には、税務署が調査によりその人の納めるべき税額を決定します。

この場合には「配偶者の相続税額の軽減」等の特例の適用はありません。

ブログトップへ戻る